20s

壁に話しかけるような感じで

瞑想と水面

あまりに煩雑な日常を送っている気がして、困っていた。

BRUTUSの「禅」特集を読んで、「ただ坐る」「まずは坐ってみる」「ミランダ・カーは10分でも空き時間があると坐っている」などの言葉に触発されて、寝る前の瞑想を始めた。

ルールはアグラをかいて目をつむって耳をすます、iPhoneのタイマーが鳴るまでやる、の2点ぐらい、「何も考えない」のは難しいので「考えを深追いしない」程度で。

シギなのは、始めの数分はいろいろと考えが浮かぶけど、10分をすぎると「ぼうっ」としてきて、それで10年以上昔の、今までそんな記憶があったことすら忘れていた記憶が、きれぎれに浮かんでくる。

昔よく着ていた服のディテイルとか、昔遊んだ公園の地面の感じとか。

これは愉しい。

そういう「醒めているのでも寝ているのでもない、第3の状態」でいる時間を持つことが大事なんじゃないかと思う。

この頃は慣れてきたのか、ふつうに起きて生活しているなかでもときどきは「ぼうっ」とできるようになってきた。

風呂の水面がゆれて灯りがにじむのを見つめている。周りの音がぼやけて耳にとどく。

小さい頃はよくこの世界にいたのだ、思い出した。