20s

壁に話しかけるような感じで

金の牡牛

金の牡牛は個人内用語である。元々は旧約聖書で、偶像崇拝を禁じられた信徒がそれでも何か拝むものが欲しくて作ったもの、とかのことだった気がする。

私の中では「世の中の真理」、あるいはひろくそう信じられているのもの、みたいなものをさす。

大学出て働いて何年か経って、色々なものごとを見聞きして体験して、世の中にはどうやら多くの人が共有する真理のようなものがうっすらあるということがなんとなくわかってきた。

なんなら平日に自分がやっていることは、色々なものがごちゃ混ぜに流れていく濁流があって、その中に金の牡牛の影を探すことなのだ、

と以前仕事がつらくてひとりぼっちだったときは、思っていた。

それと、金の牡牛を探すことや、自分が作るものに金の牡牛を混ぜ込むことだけが人生のすべてじゃない、ということもちろんわかっているし、そのことは自分にとってよかったと思う。