20s

壁に話しかけるような感じで

「流」いいよね

明日芥川・直木賞発表らしいけど、昨年7月の直木賞の「流」を読んでいる。けっこうおもしろい。引用すると、

「どうしようもないことはどうしようもない、わからないものはわからない、解決できない問題は解決できない。それでもじっと我慢をしていれば、その出来事はいずれわたしたちのなかで痛みを抜き取られ、修復不能のままうずもれてゆく。そしてわたしたちを守る翡翠となる。/そうだろ、じいちゃん?」

(94ページ)

こんな感じである。カッコいい。熱量がすごい。

語り手が饒舌で楽しそうなんだ。

章が進むと、現実と虚構の境界があいまいになってきて、気が付くとこの物語世界ではなんでも起きていいことになっている、この快感。