20s

壁に話しかけるような感じで

描写

魔の山」の中にあるクロコフスキーという医師の描写、

「黒いもじゃもじゃの髭の中から黄色い歯をのぞかせて、濃厚な微笑を見せた」とある。

ここでの「濃厚な微笑」、なんというか「あるある」で、情景が浮かんで、少なくとも私にとってはよくわかるのだが、

この「描写によって」世界と対向しようという姿勢、エネルギー、構えがすごいなって。

私だったら、こういう人をみたら嫌悪感のみで終わっていたと思う。

「ウワ、アレは何だ!」→「書いてやるぞ!描写してやるぞ!」というパワーが私にはもうないんだ。